「その出費、本当に必要?」——お金を使うたびに、心のどこかでそう自問してしまう方は多いのではないでしょうか。私はどちらかというと物より思い出タイプで、浪費も多く、無駄な出費や押し活に使った金額も計り知れません。
けれど、これまでの人生を振り返ってみると、「あのときお金を掛けて本当に良かった」と心の底から思える出費がいくつかあります。今回は、その中でも特に満足度が高かった3つの経験——「母との旅行」「審美歯科治療」「全身脱毛」についてご紹介します。どれも決して安い出費ではありませんでしたが、今振り返っても後悔はまったくありません。これからお金の使い道を考えている方の参考になれば嬉しいです。
1. 母との旅行
一つ目は、母と二人で行った旅行です。
母とは数年に1度の頻度で国内、海外と旅行に行っています。円高だった頃、まだお互い若かった事もあって東京ディズニーランドに行くのも海外旅行に行くのもそんなに値段が変わらない時期があり、思い切って2人でバリ島に旅行に行きました。それでも一人暮らしの家計にとってはなかなかの出費です。それでも「行こう」と決めたのは、母と過ごせる時間には限りがある、という思いが常にあったからです。
私は二十歳の頃から一人暮らしをしていて、年に1度も実家に帰らない事も多く、ここ数十年で親と顔を合わせた回数は数十回ととても少ないです。そんな中で数日間、旅先でゆっくり同じ時間を共有できたことは、お金には代えがたい経験になりました。母はアルプスの少女ハイジが昔から大好きで、いつかスイスに行くことが夢でした。
残念ながら一緒にスイスに行くことは叶いませんでしたが、海外旅行に不安を感じていた母が、私とバリ島に行ったことがきっかけで自信がついたようで会社の友人とスイス、カナダと旅行に出掛けている姿を見て嬉しく思っています。
旅行中に撮った写真は、今でもふとしたときに見返します。そのたびに、あのときの空気感や母の笑顔がよみがえってきて、「本当に行ってよかった」と思わされます。旅先での体験や思い出は、モノとは違って形には残りませんが、記憶として一生残り続けます。特に親との旅行は、いつか必ず「もっと早く行けばよかった」と思う日が来る類のものだと感じています。だからこそ、迷っているならば早めに計画することをおすすめしたいです。
2. 審美歯科治療
二つ目は、審美歯科治療です。
私は小学生低学年の頃まで指しゃぶりが癖になっていて出っ歯なことがコンプレックスで、長年「いつかは治したい」と思いながらも、費用の高さから踏み切れずにいました。保険適用外の治療になることが多いため、決して安い金額ではありません。それでも、思い切って治療を受けることにしたのは、「このコンプレックスを消して自分に自信が持ちたい」という気持ちが年々強くなっていったからです。
治療を終えて感じた一番の変化は、写真に写る自分の顔つきです。以前は口元を気にして、笑うときに無意識に口を隠したり、写真ではあまり歯を見せないようにしたりしていました。しかし治療後は、そうした癖がなくなり、自然に笑えるようになりました。周囲からも「表情が明るくなった」と言われることが増え、自分でも人と話すときの気持ちの持ちようが変わったことを実感しています。
見た目の変化だけでなく、日々の生活の質にも良い影響がありました。噛み合わせが改善されたことで食事がしやすくなり、歯のメンテナンスに対する意識も高まりました。定期的に歯科でクリーニングを受ける習慣もつき、結果的に口内環境全体が良くなったように感じます。
審美歯科治療は「見た目のための贅沢な出費」と思われがちですが、実際には自己肯定感や日々のコミュニケーションの質にまで影響する、非常にリターンの大きい投資だったと感じています。
3. 全身脱毛
三つ目は、全身脱毛です。
これも決して安くはなく、複数回のコースに通う必要がありますし、エステ店も医療脱毛も経験しましたが、色々なお店を転々を変えながら少しずつ施術を受けてきたのでトータルではまとまった金額になりました。それでも契約を決めたのは、毎日の自己処理にかかる時間と手間、そして肌へのダメージにうんざりしていたからです。
小学生の頃から眉毛がつながるほど体毛が濃く、特に思春期は脇やすね毛に悩まされました。
脱毛前は、季節を問わずカミソリや除毛クリームでのお手入れが欠かせず、肌荒れや埋没毛に悩まされることも少なくありませんでした。特に夏場は薄着になる機会が増えるため、常に自己処理の状態を気にしなければならず、スネは特にルーズソックスや紺の靴下を膝下まで上げて隠していたことを覚えています。
全身脱毛を終えた今では、そうした日々のお手入れからほぼ解放されました。朝の身支度にかかる時間が短縮されただけでなく、急な予定が入っても慌てて自己処理をする必要がなくなり、心の余裕が生まれました。肌荒れも減り、肌そのものの調子も良くなったように感じます。
「時間を買う」という感覚に一番近い出費だったのが、この全身脱毛だったかもしれません。1回あたりの費用だけを見ると高く感じますが、これから何年、何十年と続くはずだった自己処理の時間と手間を考えると、決して高い買い物ではなかったと思っています。
お金を掛けて良かったことに共通すること
こうして3つの経験を振り返ってみると、共通しているのは「お金を払った瞬間の満足感」ではなく、「その後の日常がどう変わったか」だという点です。母との旅行は、かけがえのない思い出という形で心に残り続けています。審美歯科治療は、自分に対する自信という形で日々の表情や振る舞いに影響を与えています。全身脱毛は、時間と心の余裕という形で毎日の生活を楽にしてくれています。
どの出費も、決断する瞬間には「本当にこの金額を払っていいのだろうか」と迷いました。正直に言えばもっと安く済んだかもしれません。でも、迷った末に一歩踏み出したことで得られたものは、金額以上の価値があったと感じています。
お金の使い方に絶対的な正解はありません。ただ、「一時の満足」で終わるものではなく、「その後の自分の生活や気持ちをどう変えてくれるか」という視点で考えると、後悔しない出費を選びやすくなるのではないかと思います。もし今、何かにお金を掛けるかどうか迷っている方がいたら、この記事が少しでも背中を押すきっかけになれば嬉しいです。
